1993 年 82 巻 12 号 p. 1954-1958
サルコイドーシスはその経過中高カルシウム血症,過カルシウム尿症を来す.その機序はサルコイドーシス組織における活性化したマクロファージによる腎外性1, 25-dihydroxyvitamin Dの過剰産生によると考えられ,腎と異なりPTH等のコントロールを受けず,基質である25-hydroxyvitamin Dの濃度に応じて過剰産生される.そのほかの結核等の肉芽腫疾患にてもまれではあるが同様の機序にて高カルシウム血症が起こることがある.副腎皮質ステロイドによく反応する.