1993 年 82 巻 12 号 p. 1982-1987
骨粗鬆症の定義は,組織学的に正常に石灰化された骨が量的に減少をきたした状態である.臨床的には,骨量測定の発達や脆弱性骨折を予防する立場から,「骨量の減少をきたし骨折の危険が高まっている状態」との定義が一般に認められている.また,分類についても, Riggsらの病因による原発性骨粗鬆症の分類や骨代謝,骨減少速度による分類以外に,既に骨折をきたした「確立された骨粗鬆症」とその危険の高い「骨減少症」に区別するのが,予防,治療のうえで有用かつ合理的と考えられる.