PTHはカルシウムホメオステイシスのために生まれたホルモンであり,骨や腎のPTH/PTHrP受容体に作用してホルモン作用を発揮する. PTHrPはPTHと共通の遺伝子ファミリーに属し, PTHより系統発生上の起源の古い生理活性物質であり,ほとんどの正常組織で局所因子としてPTH/PTHrP受容体を介して作用しているらしい.カルシトニン(CT)は,ヒトではカルシウム代謝調節ホルモンとしての作用が明確ではないが,骨粗鬆症の治療薬として臨床応用されている生理活性物質であり,破骨細胞や尿細管のCT受容体を介して作用する.小稿では1991年にクローニングされたPTH/PTHrP受容体とCT受容体の構造および機能について最近の知見を紹介する.