日本内科学会雑誌
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糖尿病と骨髓移植
福庭 洋池原 進
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1993 年 82 巻 12 号 p. 2072-2076

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抄録

糖尿病ではIDDMが免疫機構の関与で発症することが指摘されているが,筆者らはIDDMのモデル動物であるNODマウスを用いた実験で,骨髄移植並びに膵移植により予防,治療が可能であることを示した. NIDDMのモデル動物であるKK/Ayマウスを用いた実験では骨髄移植(膵移植なし)により耐糖能異常が正常化し,同マウスの糖尿病発症に免疫学的異常が関与していることが明らかになった.腎病変も骨髄移植により改善され,さらに血中コレステロール,トリグリセライドなどもBMT後低下しており, KK/Ayマウスのように免疫学的異常が関与するNIDDMにはBMTが根本治療法と考えられる.

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