日本内科学会雑誌
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6.脳幹脳炎
平林 久吾今井 壽正
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1996 年 85 巻 5 号 p. 720-724

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抄録

脳幹脳炎は大きく3種類に分類される.すなわちBickerstaff型脳幹脳炎(parainfectiousbrainstem encephalitisを含む),感染性脳幹脳炎(結核性,単純ヘルペス性,日本脳炎など),原因不明の脳幹脳炎(神経Behcet病,飯塚型脳幹脳炎)である.最近の神経科学の進歩に伴ない, Bickerstaff型脳幹脳炎の病因の一部に抗GQlb抗体の関与が明らかとなってきた.感染性脳炎の原因菌やウイルスの同定にELISA法やPCR法が導入され,早期診断,早期治療に役立っている.脳幹脳炎はいまだに原因不明(Bickerstaff型脳幹脳炎の一部も含む)のものが主体をなしており,さらなる原因の究明が待たれる.

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