日本内科学会雑誌
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1.血小板産生の指標(網血小板とthrombopoietin)
瀧沢 盛和米野 琢哉長澤 俊郎
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2000 年 89 巻 6 号 p. 1069-1076

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抄録

網血小板(RNA含量の高い血小板)は産生間もない血小板(幼若血小板)と考えられ,血小板の産生の指標としての有用性が論じられている.網血小板の測定はRNA染色色素にthiazole orangeあるいはauramine Oを用いたフローサイトメトリーが実験研究,臨床研究に用いられている. ITPなどの血小板減少状態,再生不良性貧血や化学療法後の血小板産生抑制状態,本態性血小板血症など血小板産生亢進状態,骨髄移植の回復期などでその測定意義が検討されており,その有用性には一定の評価が与えられているが,トロンボポエチン投与後の血小板過剰増加を回避する指標になりうると期待される.

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