2005 年 94 巻 4 号 p. 696-701
骨粗鬆症治療において,疾患特異的な治療薬であるビスフォスフォネートの有効性と安全性は確立されたといえる.ビスフォスフォネートは骨吸収を強力に抑制し,引き続いて骨密度を増加させ,さらには治療開始から1年以降になると骨折発生を抑制する.骨粗鬆症の治療目的は骨折の予防であり,閉経後女性を対象とした臨床研究の成績から,アレンドロネートやリセドロネートなどの薬剤による骨折発生を抑制する優れた効果が立証され,さらに疼痛の軽減などQOLの改善にも踏み込んだこれらの薬剤の臨床的有用性が検討されつつある.