農研機構研究報告
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北海道畑作における自動操舵トラクタの導入効果と可変施肥技術導入の取り組み
辻 博之 澁谷 幸憲西脇 健太郎
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2019 年 2019 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

北海道において急速に普及しつつあるトラクタの自動操舵技術が,オペレータの負担軽減,作業精度の向上効果に及ぼす影響を調査し,それらが農作業に及ぼす影響について検討した.また,北海道における可変施肥技術の開発状況を概説した.オペレータの精神的な負担の指標となる唾液中のアミラーゼ活性は,ダイズの中耕作業において自動操舵を利用することによる低下が認められ,長時間の作業におけるオペレータの負担軽減に寄与していると考えられた.また,自動操舵の利用による作業精度の向上は,播種作業では設定どおりの栽植密度を可能にし,整地作業では作業工程を減らす効果が認められた.可変施肥技術は,追肥に用いられるセンサベースの可変追肥が導入された。これに加え,過去に実施した可変施肥の結果や,センシングにより土壌肥沃度の圃場内のむらを把握して施肥マップを作成し,基肥の可変施肥が検討されている.

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