2025 年 2025 巻 20 号 p. 11-
メタン発酵は,嫌気性微生物の働きを利用して,家畜排せつ物,食品廃棄物,汚泥等の有機物から再生可能エネルギー源であるメタンを主成分とするバイオガスを取り出す技術である.得られるバイオガス(メタン)を回収し,化石燃料の代替として発電機やボイラーの燃料に利用することにより,電気や熱を生み出すことができ,温室効果ガス(GHG)の排出抑制に寄与する.一方,発酵残渣である消化液は窒素,リン酸,カリ等の肥料成分を含むため,化学肥料の代わりに利用できる.本報では,消化液の肥料としての特徴や現在の研究動向等について整理する.