みどりの食料システム戦略KPIで掲げられた化学肥料30%低減,肥料価格高騰への対策等,圃場毎に肥料や有機質資材の肥効を可視化する需要が増加している.全国437万 haの農地を対象に,圃場一筆ごとの「肥効の見える化」を実現するため,高精細度土壌図(AI-土壌図)を整備するとともに,生産者が有機質資材の種類や施用時期を市販営農支援ソフトに入力すると,土壌の特性や温度水分に基づき肥効を算出できる土壌環境API(Application Programming Interface)を開発した.土壌環境APIは,AI-土壌図と気象データから圃場一筆毎に土壌温度水分を推定し,その推定値から緩効性肥料や有機質資材の肥効を日単位で予測し,肥効予測データの配信を行うAPIである.土壌環境APIは土壌温度水分推定API,緩効性肥料養分供給API,有機質資材の肥効見える化APIから構成される.また,土壌環境APIで可視化した有機質資材の肥効に基づき化学肥料削減(30%削減を目標)が可能かどうか13県の公設試験場と連携して畑作物20事例で試験を行い,収量を維持しつつ,平均で化学肥料40%の削減が可能であることを実証した