2022 年 22 巻 p. 95-99
世界的にも和食が見直されている昨今であり,また,和食すなわち漬物という概念は根強い.漬物の嗜好や摂取頻度等を予備調査すると,予想通り若者を中心として「漬物離れ感」が顕著であった.そこで,多くの若者に好まれている洋菓子と漬物を組み合わせることにより,若者に関心を持たせるとともに,新製品の開発を目的として,パウンドケーキ,チーズケーキの試作を行った.見た目,味,物性等で検討した結果,パウンドケーキ(プレーン)で官能評価を行うこととした.漬物はしば漬けとたくあんの2種を使用し,生地に対して15% 加えた.官能評価は本学学生栄養士専攻50名,製菓専攻55名を対象とした.見た目の評価では,製菓専攻のみたくあんが有意に好まれたが,味と見た目の両方の評価において,しば漬けよりたくあんが好まれる傾向にあった.