名古屋文理大学紀要
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各種原料粉で調製したういろうの品質特性
佐藤 生一中島 千枝山澤 正勝
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2009 年 9 巻 p. 7-15

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抄録

ういろうは日本の各地でつくられている伝統的な蒸し菓子の一種であり,地域によって原料粉や添加物が異なる.名古屋地区では主に米粉とスクロースで作られてきたが,現在は,消費者の志向の多様化に伴い原料粉としては米粉,小麦粉,小麦デンプンおよびそれらの混合物が使用されている.ういろうの品質は,米粉の粒度分布,原料粉の種類,加熱条件などによって影響されることが知られている.本研究では,各種原料粉の特性と得られたういろうの物性および官能評価との関係について検討した.まず,スクロース溶液中において,各原料粉の吸水力は小麦デンプン,小麦粉,米粉の順に大きく,この傾向はRVA によるセットバック値の順と同じであった.一方,異なった原料粉から調製したういろうの物性の特徴はそれぞれ全く異なっていた.すなわち,米粉ういろうは付着力が最も強く,破断強度は最も弱かった.小麦粉ういろうは破断凹みが最も大きく,破断強度は米粉ういろうと同程度であった.小麦デンプンういろうは,破断強度が最も強く,付着力は最も弱かった.色調において小麦粉ういろうはb * 値が有意に高く,黄色みが強いことが確認された.官能検査では,米粉ういろうと小麦粉ういろうが有意に好まれた.

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© 2009 名古屋文理大学
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