携帯電話で食事内容を撮影して管理システムに送付し,訓練された栄養士が,栄養素等の推定を行うというケータイ栄養管理システムを開発した.このシステムの妥当性の検討を行うために,8人の大学生を対象に3日間(朝・昼・夕食)について,食事前に携帯電話で撮影し,メモ書きとともにシステムに送付させた.同時に秤量調査を行った.ケータイ栄養管理システムによるエネルギー量および栄養素量の推定は,あらかじめ写真法の訓練を行った栄養士が行った.すべてのエネルギーと栄養素は対数変換を行い,エネルギーの調整は残差法を使用した.食種(朝・昼・夕食)別の平均エネルギー摂取量はケータイ栄養管理システムでは651kcal,秤量法では681kcal で,平均摂取量の比は0.96であった.両方法間の調整した相関係数は,たんぱく質は0.60,ビタミンC は0.79であった.本システムからの栄養素等の推定は,限られた調査人数と食数ではあるが,概ね良好な妥当性が得られた.