名古屋文理短期大学紀要
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女子短大生と両親の形態意識の相違について
加藤 恵子井上 康雄
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1988 年 13 巻 p. 65-74

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抄録
女子短大生とその両親との形態意識の相違を明らかにすることを目的として意識調査を実施した.その結果,次のことが明らかになった.1.被検者の形態特徴は,両親では体重は全国平均との差はみられず標準であったが,身長は約2cmほど全国平均を上回っていた.学生については身長・体重共に全国平均を上回っており,体格のよい集団であることが伺える.また形態別では両親・学生共に半数以上が標準体型であった.太りすぎ・太りぎみは両親に多かった.2.身長についての主観的評価では"普通"と答えた者が多かったが"低いほう"と答えた者も両親・学生共に約3割いた.しかしながら願望では現状のままでよいが両親では圧倒的に多かった.身長は体重のように流動的でないので半ばあきらめの感が特に両親に強いことがわかった.また具体的数値をみると"普通"と答えた者は,いづれも平均を上回っており主観的な身長の標準は平均よりも少し高めであった.3.体重については父親は割に自分の形態について正確に判断し,それなりの願望を持っていた.母親では肥満傾向の者は正確に判断しやせたいという願望を持っているが,やせ傾向の者に意識のずれがみられた.また学生では母親とまったく逆の傾向で,やせ傾向では正確に判断しているが,肥満傾向に意識のずれがみられた.相変わらずやせていないにもかかわらず,やせたいと思っている者が多い.4.理想形態では,男性よりも女性のほうが,また中年女性より青年女性のほうがより細い体型を理想としていることがわかった.
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© 1988 名古屋文理大学
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