名古屋文理短期大学紀要
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適温供食に関する一考察(第4報) : 食品素材の比率が保温性に及ぼす影響
小倉 れい加藤 治美内田 初代野沢 洋子小田 良子
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1988 年 13 巻 p. 55-64

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抄録

冷食供食では,冷や奴は,保冷性の点からはかけ水の効果が認められず,冷や麦は,かけ水75%,100%が5%危険率で有意に好まれた.冷スープの水量に対する浮身重量の比率は5%,O%,10%の順に好まれた.温食供食では,かき玉汁は,出来上がり20分経過で13℃,60分経過で20℃の差で卵添加O%より20%を加えた方が保温性が高かった.したがって,料理を作ってから喫食までの所要時間が長い施設では,卵の比率を20%にすることにより40分保温時間を延長させることが可能であると認めた.うどんに対するかけ汁の比率は,20分経過で8℃,60分経過は7℃の差でかけ汁O%よりかけ汁100%が高く,100%と150%では5℃の差で保温の差を認めた.更にうどんの重量に対して100%のあんをかけることにより,20分経過で9℃,60分経過では15℃高い保湿性を認めた.卵豆腐のあんかけは,おいしいと感じる適温範囲(60〜65℃)で供するにはあんかけO%が8分までであるが,100%のあんをかけることにより10分延長可能であり,味覚テストも危険率5%で有意に好まれた.空也蒸しは,20分経過で豆腐が卵液の10%より40%が11℃の差で,60分経過では,豆腐が卵液の10%より50%が8℃の差で保温性が高く,適温範囲が15分延長可能となり料理が出来て喫食までの所要時間30分以上の施設では50%,30分以内では30%が良好であると考察できる.ハンバーグは,ハンバーグ重量の150%のソースをかけることにより40分,ミートボールは揚げ衣の比率により40分,じゃが芋は20分延長させて適温供食の一助となることを認めた.

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© 1988 名古屋文理大学
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