名古屋文理短期大学紀要
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ウズラ卵の内部卵質に及ぼす保存条件の影響
畔柳 英世近藤 みゆき
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キーワード: ウズラ, , 内部卵質, 保存
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1993 年 18 巻 p. 77-84

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抄録

ウズラ卵を生卵で保存するとき,その品質の安定性は鶏卵よりも高いというのが,常識になっているが,内部品質に問題のあるウズラ卵を見掛けたことから,ウズラ卵の保存性に疑問を持つようになった.ウズラ卵の保存についての研究報告は少なく,問題のウズラ卵の購入以前の経歴も不明であったので,その保存性を明らかにするべく保存試験を行った.産卵日の明らかなウズラ卵を入手し,室温と家庭用電気冷蔵庫の条件で保存して,新鮮時(産卵翌日),保存10日,25日,40日,50日,60日に内部卵質を調査し,食用に適する保存期間のめやすを推定した.試験は9月上旬の気温の高い時期であったので,既報の保存試験の結果とはかなり異なり,ウズラ卵の保存は,鶏卵と同様な注意が必要なことが明らかになった.すなわち,室温に保存した場合,卵重の減少,濃厚卵白の消失,水様卵白のpHについては10日間で明らかに劣化した.卵黄高と濃厚卵白高の減少は10日以内に起こると認められ,食用に適する保存期間は10日以内と考えられた.また,家庭用電気冷蔵庫(2°〜5℃)では食用に適する保存期間は25日以内と考えられ,おおむね,鶏卵と同様であった.

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© 1993 名古屋文理大学
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