名古屋文理短期大学紀要
Online ISSN : 2433-6548
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リン酸処理野菜のリン含量と色素変化
宮沢 節子内田 初代佐藤 生一小田 良子
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1993 年 18 巻 p. 71-75

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抄録
リン酸処理されているカット野菜や化粧野菜の実態を調べた結果,れんこんや,油炒め用ミックス野菜に多く検出され次いでもやしに多く認められた.未処理野菜との比較ではれんこんの10.86倍が最高で次いでさつまいもの3.27倍,さといも2.63倍,ごぼう2.36倍であった.次にリン酸溶液の他で日常一般調理に使用されている酸性溶液で処理したごぼうとれんこんの色素変化を2週間に渡って経時的にデジタル測色計によりL値(明度)を測定して保存効果を検討した.れんこんの場合は溶液浸漬保存の場合,みょうばん水,リン溶液の保存効果が著しく高く2週間位まで保存可能であったが酢水は4日間であった.ごぼうについては褐変が著しく酢水での保存効果は認められなかったが,リン溶液及びみょうばん水は4日間保存が可能と考えられる.浸漬液の濁りの状態を透過率により測定した結果と合わせて考察すると,みょうばん水保存が有効と考えられる.溶液処理後水分を切って袋詰保存したものは,れんこん,ごぼう共褐変防止は困難で保存効果は認められなかった.
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© 1993 名古屋文理大学
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