名古屋文理短期大学紀要
Online ISSN : 2433-6548
Print ISSN : 0914-6474
18 巻
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  • 原稿種別: 表紙
    1993 年 18 巻 p. Cover1-
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1993 年 18 巻 p. Cover2-
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 森 博, 牧野 安子, 杉江 晶子
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 1-6
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    MS-Windows3.0は,パソコンにとって新しいプラットフォームであり,現在パソコン界の主流OSであるMS-DOSの種々の欠点をカバーするものとして期待されている.ところが米国での成功とは裏腹にわが国においては思ったほどの普及をみせていない.日米におけるハードウェアとソフトウェア環境の違いが主要な原因と考えられるが,それらの環境が整えばわが国においてもWindowsはパソコンの標準的プラットフォームの有力な候補の一つとなりうると考えられる.それまでの間はWindowsと既存のDOSアプリケーションは共存していかなければならないが,両者の親和性についての調査はあまりない.そこで現在まだ広く使われている16ビットパソコンを使い,DOSアプリケーションとして代表的なワープロと表計算ソフトウェアのDOSおよびWindows上でのベンチマークテストを行なった.その結果,実行スピードの点においては予想外に差がでなかったが,EMSメモリーを要求するDOSアプリケーションでは,種々の問題点が存在することが明らかになった.
  • 田中 正
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 7-14
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究では青年期後期をむかえた女子を対象として,彼女の今日にいたるまでの親子関係の在り方と自我の発達との間にどのような関係がみられるかを検討した.結果として,親子関係が統制的であるか自律的であるかよりも,受容的であるか拒否的であるかが自我の発達に強く関係しており,父-娘関係よりも母-娘関係が自我の発達にはるかに強い影響を及ぼしていることが分かった.そこで次に,母-娘関係に限定して親子関係と自我の発達との関連を個々の項目ごとにみると,母が受容的であればあるほど「自我確立」の程度が高く,またその下位因子の「基本的信頼」「積極性」「生産性」「同一性」「生殖性」の達成度も高くなり,母の統制性が弱いほど(自律性が高いほど)「自律性」「生産性」の達成度が高くなった.次に親子関係を受容性と統制性の程度の組み合わせで8つのタイプに類型化し,それらと自我の発達との関係をみると,母-娘関係が受容的自律型のタイプで「自我確立」の程度が高く,拒否的自律型と拒否的統制型のタイプで低くなる.「自我確立」の下位因子についても,受容的自律型タイプが全体的に高く,拒否的自律型と拒否的統制型のタイプは低い傾向になる.父-娘関係の違いによる自我の発達への影響はこの場合もみられなかった.総括すれば,女子の場合,自我の確立へ影響を及ぼす親子関係の主なる要因は母-娘関係が受容的であるか否か,ということである.
  • 鈴木 英雄
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 15-38
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    中小企業の定義は相対的なものである.定義を行う基準は大別して①質的基準②量的基準③①と②の組合せの3通りがある.日本に於ける中小企業の定義は時代とともに変化してきた.現在は中小企業基本法による定義が一般的に行われている.中小企業と統計との関係をみると,現在,中小企業基本法による中小企業を統計的に把握しうる資料は殆んどない.中小企業統計の問題点をあげると①企業と事業所②企業の資本金と従業員数③従業員数と従業者数④以下と未満である.事業所,従業者数を昭和32→61年でみると規模別事業所数は零細層伸びなやみ,中規模層が高い伸び,規模別従業者数は1〜4人層と300人以上層が低い伸びとなった.製造業の生産性の規模別格差は昭和50→平成元年に大幅に拡大し,労働装備率格差の縮小に対し,設備投資効率格差は殆んど解消.製造業の経常指標を規模別にみると,収益性はストック比で中小企業が,フロー比で大企業が総じて良好,流動性は総じて大企業の改善度合が大きい.小売業の大中規模層が高い伸びで零細層は伸びなやんだ.製造業の規模別賃金格差は拡大,労働時間格差は解消,週休制,年次休暇は大規模層ほど多い.小規模層ほど人手不足が深刻化.
  • 上田 實
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 39-49
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ブラザー工業株式会社は,ミシン・編機・タイプライターの生産では我が国第一位の企業であり,優れた経営活動により国際的にも名声を博している企業である.このブラザーを創立し築き上げたのは安井正義である.安井は父よりミシン修理店を受け継ぎ,シンガーに負けないミシンを作り輸入産業を輸出産業にすることを夢みて,10人の兄弟姉妹が協力,自分達自身の労力と工夫・研究によって,技術を開発し,工作機械を製作し,技術革新による新生産システムから絶えず優れた製品を生み続けた.堅実経営に徹しながらも積極果敢な経営活動,多角化の展開,品質第一主義の信念に基づく最高品質の追究,際立つ販売戦略,グローバリゼーションの展開によって世界市場に雄飛し,遂にはシンガーを凌駕して世界のブラザーとしての地位を確立した.更に,ブラザーのみに留まることなく,常に日本のミシン業界のトップに立ち優れた指導力と人間性を発揮し,日本をして世界のミシン王国たらしめ,日本の産業技術,経済発展に大きく貢献した.安井の企業者としての卓越した実践活動に対し,我が国における第一級の企業者としての高い評価が与えられることであろう.
  • 関川 靖
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 51-62
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    変動レートに移行して20年余,安定した国際通貨体制であったといえない.よって,現在国際通貨体制を,1960年代と同様に,考察することに意義があると思われる.本論文では,国際通貨改革諸案を紹介し,その中で有力な案と考えられるマッキノン案である3極通貨体制と金本位制(完全な金本位制でなく比例準備制)を詳細に検討した.そして両案のうち,どちらが日本にとってよりコストが小さいか考察した.結論として,日本も経済大国となったことからキー・カレンシー国との役割を担っていかなければならないことから,3極通貨体制の一員にならざるをえない.そこで,マッキノン案の欠点を修正し,比例準備制を導入したマッキノン案を日本としては選択してゆかなければならないとした.また,日本にはその資格も十分に備えており,実現可能性は十分高いと思われる.只,金価格,比例割合等については今後の研究課題としたい.
  • 杉江 晶子, 飯沼 陽子, 森 博
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 63-69
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    現在の情報化社会において,タッチタイピングをマスターすることは,コンピュータリテラシー教育の第一歩である.初等・中等教育にもコンピュータ教育が普及していく現状であるが,今までほとんどタッチタイピング教育を受けていない大学生に対し,効果的なタッチタイピング教育のあり方を模索し,分析したものである.本学の情報処理学科1年生を対象に調査した結果,タイピングの効果をみるWPMは練習量と強い相関があり,学生に「練習をしなければいけない」という意識付けをいかにするかが,タッチタイピングマスターの鍵となる.
  • 宮沢 節子, 内田 初代, 佐藤 生一, 小田 良子
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 71-75
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    リン酸処理されているカット野菜や化粧野菜の実態を調べた結果,れんこんや,油炒め用ミックス野菜に多く検出され次いでもやしに多く認められた.未処理野菜との比較ではれんこんの10.86倍が最高で次いでさつまいもの3.27倍,さといも2.63倍,ごぼう2.36倍であった.次にリン酸溶液の他で日常一般調理に使用されている酸性溶液で処理したごぼうとれんこんの色素変化を2週間に渡って経時的にデジタル測色計によりL値(明度)を測定して保存効果を検討した.れんこんの場合は溶液浸漬保存の場合,みょうばん水,リン溶液の保存効果が著しく高く2週間位まで保存可能であったが酢水は4日間であった.ごぼうについては褐変が著しく酢水での保存効果は認められなかったが,リン溶液及びみょうばん水は4日間保存が可能と考えられる.浸漬液の濁りの状態を透過率により測定した結果と合わせて考察すると,みょうばん水保存が有効と考えられる.溶液処理後水分を切って袋詰保存したものは,れんこん,ごぼう共褐変防止は困難で保存効果は認められなかった.
  • 畔柳 英世, 近藤 みゆき
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 77-84
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    ウズラ卵を生卵で保存するとき,その品質の安定性は鶏卵よりも高いというのが,常識になっているが,内部品質に問題のあるウズラ卵を見掛けたことから,ウズラ卵の保存性に疑問を持つようになった.ウズラ卵の保存についての研究報告は少なく,問題のウズラ卵の購入以前の経歴も不明であったので,その保存性を明らかにするべく保存試験を行った.産卵日の明らかなウズラ卵を入手し,室温と家庭用電気冷蔵庫の条件で保存して,新鮮時(産卵翌日),保存10日,25日,40日,50日,60日に内部卵質を調査し,食用に適する保存期間のめやすを推定した.試験は9月上旬の気温の高い時期であったので,既報の保存試験の結果とはかなり異なり,ウズラ卵の保存は,鶏卵と同様な注意が必要なことが明らかになった.すなわち,室温に保存した場合,卵重の減少,濃厚卵白の消失,水様卵白のpHについては10日間で明らかに劣化した.卵黄高と濃厚卵白高の減少は10日以内に起こると認められ,食用に適する保存期間は10日以内と考えられた.また,家庭用電気冷蔵庫(2°〜5℃)では食用に適する保存期間は25日以内と考えられ,おおむね,鶏卵と同様であった.
  • 江上 いすず, 長谷川 昇, 大矢 みどり
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 85-91
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    成人病予防のスクリーニングとして,一つの目安である肥満度の側面から,女子学生を対象に食嗜好,食習慣,食行動のライフスタイルを調査し,標準体重者との違いを探り,適正な体重維持につなげるべき方途の検討を行った.調査対象は本学食物栄養科2年次生のBody Mass Index(BMI)23.1以上の78名,対照はBMI20〜23の110名とした.調査期日は平成3年6月及び平成4年4月で,調査方法は食習慣調査,食品嗜好調査,味盲テストを行った.統計処理は,X2検定,因子分析,重回帰分析を行い,重相関係数を求めた.結果として,肥満傾向者の食生活の型別に食習慣,食嗜好に特異性が目立ち,因子分析の結果,高エネルギーと野菜因子が抽出され,特にグルメ型は高エネルギー因子の得点が高く,ファーストフード型は野菜因子の得点が高く現れた.さらに,BMIを従属変数とした重回帰分析の結果,肥満傾向が強い者ほど油脂類を好み,野菜類を嫌う傾向が推測された.したがって,若い世代のファーストフードやグルメ志向,及び,繊維不足や高脂肪食品摂取の過体重への影響が強いものと予測され,食生活の型別側面から肥満解消の簡易対策として,特にグルメ型は動物性たんぱく質摂取を減らすこと,ファーストフード型は野菜摂収を増やし,規則的な食事摂収に心がけること等を推奨したい.
  • 下田 隆信
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 93-99
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    プラスチック廃棄物より有効物資への回収を目的として,ポリエチレンの空気酸化を通常の流通式酸化装置を用いて,常圧熱分解空気酸化について検討した.ポリエチレンの主鎖の切断を著しく起こすような高温度においては,酸化誘導期への影響は反応温度と空気流量の増加と共に短縮した.また,触媒は誘導期の短縮やヒドロペルオキシドの分解促進にはその効果が認められたが,定常状態での酸化速度にはその影響は殆ど認められなかった.これはラジカルのかご効果による高分子化合物の酸化による特異反応であると考えられる.
  • 市川 和昭
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 101-107
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    時代のニーズに適合した優れた食品包装の実現を目的として特にプラスチック包装材料について素材の物性,包装技法および実用例について現状をまとめ問題点の解決について考察を行ない,その一つとしてオレフィンメタセシス反応の利用を提案した.これまでの汎用プラスチックは単一使用では何らかの物性上の欠点を有している.例えばポリエチレンは酸素等のガスバリヤー性,ポリアミドは水蒸気バリヤー性,ポリエステルは熱シール性が劣る等である.物性上の欠点の少ない塩化ビニリデンでは廃棄物処理時の有毒ガス等の発生の問題があり,また一般に従来の汎用プラスチックは生分解しにくいので廃棄物処理が困難で,再資源化しにくい.複合素材とすれば物性上の欠点はほとんどなくなるものの再資源化がきわめて困難となる.そこで物性に決定的欠点がなく,しかも再資源化できる単一素材包装材料の開発が必要と考えた.その一つとしてメタセシス反応によりポリマー鎖に不飽和鎖を含むポリマーを合成し利用すれば,大きな欠点がなくそして新たな機能をもつ包装材料が期待できると共に,使用済みポリマーは低分子アルケンを反応させてメタセシス分解を行なうことにより原料等への再資源化が可能となり問題解決に役立つと思われる.
  • 酒井 恭高
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 109-114
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    体脂肪量の直接測定は現在の測定技術ではほとんど不可能であり,その試みは間接法による推定の域を説し得ない.多くの間接的推定法が開発されている中にキャリパー法とBI法がある.キャリパー法は,常にその妥当性や再現性等について信憑性が指摘されている.一方,BI法は再現性も高く,測定時間も2分程度で終了し極めて信頼性も高い測定法とされている.本研究は,BI法から算出される体脂肪量の推定を妥当と仮定し,キャリパー法の妥当性を検討した.被検者は健康で形態も日本人として標準的な18歳〜23歳の女性57名である.キャリパー法とBI法から算出されたF%の平均±標準偏差は,28.21±7.04%, 29.77±4.77%でその差に有意差は認められなかった.しかし,キャリパー法の皮脂厚の計測は,被検者それぞれの皮膚の張り具合や測定誤差としての妥当性等にかなり問題があった.それは,キャリパー法とBI法の間に個々の差として,28.66〜-12.52%の差がみられたからである.また,皮脂厚腕(X1)・皮脂厚背(X2)を説明変数,BI法によるF%を従属変数とした重回帰はY=0.15(0.12)X1+0.21(0.08)X2+22.30〔( )内推定標準誤差〕(r=0.48 P<0.01)を得たが,この推定式への寄与率は23%であった.従って,BI法を妥当と仮定した場合,キャリパー法によるF%の推定にはかなりの問題があることを強く指摘するものである.
  • 国友 宏渉, 稲石 三二
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 115-123
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    本研究は地域行政組織のトップであり,スポーツ行政に与える影響力も大であるといわれる市町村首長と,政策の直接的な担い手である社会体育担当職員,さらに行政と住民の中間的な立場にあって地域スポーツ活動の公的な指導者である体育指導委員に対して,市町村のスポーツ振興に関する基本的な意識調査を行い,行政当局のスポーツ振興に対する姿勢や考え方についての考察を試みた.結果と考察を以下のとおり要約することができる.首長をはじめとする行政当局者は,当該市町村のスポーツ振興の柱である公共スポーツ施設の現状やそのあり方について,その現状とは異なる「甘い評価」をする傾向にあり,行政としての公的責任からもその認識に厳しさが欠けるところがあるといえる.また,首長および社会体育担当職員の将来に対するスポーツ施設整備についての関心は,大型の本格的な施設拡充にあり,一般住民や体育指導委員が求める「だれでも,いつでも,どこでも」スポーツができる日常的な施設に対するニーズと食い違っているといわなければならない.さらに,公共スポーツ施設の利用料金に関して,首長および担当職員の中に受益者負担を支持する者が3割を占めることも見逃せない結果であった.今後の地域スポーツ行政において重要なことは,いかに住民のスポーツ要求をくみ取っていくかということてあり,そのためには,先ずスポーツ行政当局,とりわけ首長の客観的な現状評価と,その共通理解が必要であり,その基盤の上で効果的なスポーツ政策が施されなければならないといえよう.
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 18 巻 p. 125-128
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 神谷 勝広
    原稿種別: 本文
    1993 年 18 巻 p. 140-130
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    都の錦(延宝三年<1675>生・没年未詳)は、井原西鶴亡きあとの浮世草子界を支えた有力作家である。彼の著述した浮世草子の中に、盗賊譚を集めた『沖津白波』(元禄十五年<1702>)がある。従来、この作品は、それまでの仮名草子や西鶴『本朝桜陰比事』のように犯罪を暴く裁判に重点があったものを、犯罪そのものに焦点をあわせるようにしたことが一つの趣向として評価されてきた。この点は、北条団水の『昼夜用心記』や月尋堂の『償偶用心記』などに先んじており確かに意味がある。しかし、『沖津白波』には、それ以上に注目すべき点が存する。この作品は、各章の冒頭部分などを、宮川道達『訓蒙故事要言』・『撰集抄』・『太平記』・『平家物語』・小唄を駆使しながら、順に儒教的・仏教的・軍記的・歌謡的・儒教的な文章にしている。つまり、文体を意識的に変化させているのである。西鶴以後の作家達の中で、都の錦は、特に文体というものに意識的であった。その意味で、この『沖津白波』は都の錦の特徴のよく出た作品ということができよう。
  • 原稿種別: 付録等
    1993 年 18 巻 p. App1-
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1993 年 18 巻 p. Cover3-
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 原稿種別: 表紙
    1993 年 18 巻 p. Cover4-
    発行日: 1993/04/01
    公開日: 2019/07/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
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