1995 年 20 巻 p. 55-61
霊長類の高脂血症について, 低比重リポタンパク質(LDL)レセプター遺伝子の変異の面から検討した.高脂血症個体を含むカニクイザルについて, サザンハイブリダイゼーションを行ったところエクソン18内のBamHI切断部位の欠失, イントロン17におけるBglII切断部位の出現およびエクソン17近傍のXbaI切断部位が消失していることが推定された.さらにLDLレセプター遺伝子の点突然変異を検出できるPCR-SSCP法(polymerase chain reaction-single strand conformation polymorphism)により, 一部の個体について遺伝子多型が検出された.しかし高脂血症とは直接の関連性は低かった.