名古屋文理短期大学紀要
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肥満傾向の女子学生のライフスタイルについて(第2報) : 食生活の型と食行動との関係
江上 いすず長谷川 昇板津 みどり
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1995 年 20 巻 p. 87-91

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抄録

健康な肥満傾向の女子学生を対象に, 心理的側面から肥満の成因を探ることを目的として, 食生活の型(栄養バランス, ボリューム, グルメ, ダイエット, ファーストフード)からみた食行動を見極めることにより, 適正な体重維持につなぐべきライフスタイルの検討を行った。調査対象は本学食物栄養科生, 生活科学科生(18〜20歳)女子BMI23.1以上の77名, 対照はBMI20〜23の113名とした。調査期日は1992年7月で, 調査方法は食行動及び食生活の型についての質問調査を行った。統計処理は因子分析, 分散分析, 平均値の差の検定を使用した。結果として, 肥満傾向者, 標準体重者とも食スタイルの傾向として, ボリューム志向の者が多かった。女子学生全体の食行動について因子分析の結果, 4因子が抽出され, 「不規則因子」, 「抑制力無し因子」, 「外因性因子」, 「ストレス因子」と解釈した。食生活の型と食行動の関係では, 分散分析及び平均値の差の検定より, 肥満傾向のボリューム志向の者は「ストレス因子」が高くみられた。また, ファーストフード志向の者は「不規則因子」が高くみられた。したがって, 女子学生の食行動からみた肥満予防の対策として, ボリューム志向の者はストレスからの過食を十分気を付けること, ファーストフード志向の者は規則的な食生活を第一に心がけること等を推奨したい。

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© 1995 名古屋文理大学
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