名古屋文理短期大学紀要
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食用油の過酸化物価の簡便な測定法
市川 和昭
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1995 年 20 巻 p. 131-135

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抄録

食用油の過酸化物価(POV)の簡便な測定法として, 鉄チオシアネート法の利用を検討した.疎水性の食用油と鉄チオシアネート法の試薬水溶液に対して, 両親媒性の溶媒 エタノール/1-ブタノール(容量比6/4)を見いだしたことにより, 食用油のPOV測定への鉄チオシアネート法の利用が可能となった.POVが5〜10の範囲でPOV既知の1つの試料油を用いて, 試料溶液の濃度を変えて, 本鉄チオシアネート改良法により, 500nmでの吸光度(A)を測定し, POVおよび測定溶液濃度から算出される過酸化物の活性酸素濃度のBに対してAをプロットして, このプロットの回帰式を求めた.プロットは, 直線関係となった.この新規の鉄チオシアネート改良法(以後, 新法と略す)は, 操作が簡便で, 試料も少量ですみ, そのAを測定するだけで, 容易に回帰式から食用油のPOVが求められた.新法で求めたPOVと従来からの過酸化物価法POVとは, よく一致した.新法は, 迅速で簡便な食用油のPOV測定法として有効である.

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© 1995 名古屋文理大学
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