名古屋文理短期大学紀要
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ポリエチレンの常圧熱分解
下田 隆信
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1995 年 20 巻 p. 125-130

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抄録

プラスチック廃棄物の有効利用の観点から, 熱媒体としてスチールボールを用いた固定床流通式常圧熱分解装置でポリエチレン(以下PEと略記する)の熱分解液化のための基礎研究を行い下記の結果を得た.(1)熱分解して得られる生成物はガス状生成物と液状生成物であった.ガス状生成物はCH4,C2H6,C3H8であり, 他にC4H10が微量に存在した.液状生成物は主としてC5〜C13のn-パラフィンとn-オレフィンであった.(2)液化温度は熱媒体による熱供給の効果により異なり, 比較的低温領域(400℃)で液化し, 液化率が84wt%, 550℃では約45wt%であった.ガス状生成物に転化するガス化率は550℃で35wt%であった.(3)分解油の平均分子量は540から160まで変化し, 分解温度550℃では160で, 平均分子量からみれば灯油に相当する油であるが, 沸点範囲が広くガソリン, 軽油分も含まれるものであった.

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© 1995 名古屋文理大学
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