1998 年 23 巻 p. 95-104
台湾経済は, ここ二, 三十年の間に飛躍的な成長をとげた.しかし, 財務報告制度の整備に関していえば, それに取り組み始めたのは比較的最近のことである.台湾ではじめて財務会計基準や監査基準を公表したのは, 1984年のことであった.しかしいったん会計基準や監査基準を中心とする財務報告制度を整備しようという方向が決まりだすと, そのあとの進展は非常に速いものであった.1996年現在, 公表されている「財務会計基準公報」はすでに27に達しており, その内容については, 国際会計基準(IAS)との調和化の度合が相当高い.本研究は, 台湾における財務報告制度を, 法規定および会計基準の両面から考察するとともに, その制度の特徴や国際会計基準との調和化について検討する.