マンゴー‘アーウイン’のハウス栽培では,赤あざ症およびまだら果症と仮称される果実の着色障害が発生する.赤あざ症は果面に赤色の斑点があざ状に出る症状で,まだら果症は果面に赤色と橙色がまだら状に出る症状である.本研究では,‘アーウイン’樹を高湿度条件に遭遇させ,着色障害および果実品質への影響を検討した.また,開花盛期後日数(DAFBS)と着色障害との関係も調査した.湿度処理の期間は,2019年5月15日~6月4日までの21日間であった.この間,加湿区では除湿区よりも相対湿度は高く維持され,日中の飽差の平均値は,加湿区では1.72 kPa,除湿区では10.36 kPaであった.赤あざ症,まだら果症およびやに果の発生程度は,加湿区では除湿区よりも高かった.赤あざ症およびまだら果症の発生程度は,70~90DAFBSでは80~100DAFBSよりも高かった.加湿区では除湿区に比べて,赤道部および果頂部のa*値は低かった.加湿区では除湿区より糖度は2 oBrix以上低かった.このように,マンゴー‘アーウイン’では高湿度が着色障害発生の一因であることに加え,糖度を低下させることを明らかにした.