2019 年 40 巻 6 号 p. 268-277
重合度の異なる2 種類のポリアクリル酸ナトリウムの水溶液にラジカル開始剤存在下で紫外線照射して高分子反応を誘起することによってヒドロゲルを作製した。ポリマーの重合度と濃度,開始剤の種類と濃度,紫外線照射時間などがゲルの生成収率と膨潤率に及ぼす影響を明らかにした。開始剤としてペルオキソ二硫酸カリウムあるいはペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いると効率よくゲルが得られることが分かった。単離したゲルの貯蔵弾性率(G’),損失弾性率(G”)および複素粘度(¦η*¦)をレオロジー測定により決定し,生成ゲルの膨潤率や架橋密度に及ぼす反応条件の影響ならびにゲル生成過程に関わるラジカル反応機構の詳細について考察した。さらに,ゲル作製時の照射紫外線吸収量を制御することによって,照射深さ方向に傾斜した架橋構造を持つヒドロゲルの合成を行った。