ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
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ジフェニレンエーテル構造を有する結晶性エポキシ樹脂硬化物の物性
梶 正史大神浩一郎甲斐智美
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2020 年 41 巻 3 号 p. 122-128

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抄録

利用分野の高度化によりエポキシ樹脂の高機能化が求められている。その一例としてメソゲン基を持つ液晶性エポキシ樹脂があるが,一般的に高融点のため溶剤溶解性等に課題があった。非メソゲン構造のジフェニレンエーテル構造を有するエポキシ樹脂について検討の結果,高分子量化に伴って結晶性を発現し高い融点(185.6 ℃)を持つ結晶性の硬化物を与えることを見出した。XRD 測定から硬化物の結晶化度は52%と見積もられた。この高い結晶化度に対応して,熱伝導率の向上に加えて,熱膨張率が低下した。また,水蒸気透過度は0.48 g/m2・day と非結晶性硬化物に対して一桁低い値を示した。さらに成形材料として評価した結果,熱変形温度が183 ℃と大幅に上昇した。

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© 2020 合成樹脂工業協会
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