2020 年 41 巻 5 号 p. 193-200
低銀フィラー含有量かつ低粘度な導電性エポキシ複合材を得るためin-situ ラジカル重合メタクリルモノマー/アニオン重合エポキシオリゴマー組成物を研究した。具体的には,ビスフェノールF 型ジグリシジルエーテル(DGEBF)/ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート(DPOMA)ブレンドを導電性エポキシ複合材のマトリックス樹脂とした。電子顕微鏡観察により,重合ブレンド物中には共連続相構造が形成され,そのメタクリル樹脂リッチ相に銀フィラーが選択配置したことが明らかとなった。体積割合の小さい連続相中への銀フィラー選択配置により,フィラー接触(連続性)が増し低銀フィラー含有率での導電チャンネル形成がなされたと考えられる。結果,比較材(DGEBF/銀フィラーブレンド)と同等の導電率発現に要する銀量(体積含有率)を約30%低減できた。銀フィラーの選択配置メカニズムについて,エポキシ樹脂,メタクリル樹脂,銀フィラーのハンセン溶解度パラメーター(HSP)を測定し相互の親和性を比較して考察した。