2021 年 42 巻 4 号 p. 128-138
植物由来原料であるグリセリン,ソルビトールから合成した新規アクリラートを光硬化樹脂として評価した。グリセリンを直接アクリラート化したグリセリントリアクリラートは,従来の3 官能以上のアクリラートと比較して,低粘度,高硬度かつ高密着性という特長を有していた。グリセリンと炭酸エステルから得られたグリセリンカーボネートをアクリラート化したグリセリンカーボネートアクリラートは,従来の単官能アクリラートと比較して,高UV 硬化性,高Tg かつ低吸水率という特長を有していた。ソルビトールを原料としたエチレンオキサイド変性ソルビトールアクリラートは,高い水溶性を有する多官能アクリラートであり,UV 硬化性,塗膜硬度,水希釈性の点で従来の親水性アクリラートよりも優れた特性を有していた。グリセリントリアクリラートとグリセリンカーボネートアクリラートのバイオマス度はそれぞれ35%,50%と高く,環境負荷の低い光硬化樹脂として,インキや塗料,接着剤などへの応用が期待される。