エポキシ樹脂の耐熱性を向上させるための一つの方向にエーテルエーテルケトン(EEK)構造を有するエポキシ樹脂がある。レゾルシノールと4,4’- ジフルオロベンゾフェノンとの反応によりフェノール性オリゴマー(HREEK)を得た後,エポキシ化反応を行うことで,軟化点が62-94 ℃のエポキシ樹脂(GREEK)を合成した。これを用いてフェノールノボラックを硬化剤とした硬化物の物性を評価した結果,ガラス転移温度は146 ℃とビスフェノールA 型エポキシ樹脂(DGBPA)に対して19 ℃高い値を示した。また,EEK 構造に起因して低熱膨張性と高い熱分解安定性が確認された。さらに,HREEK を硬化剤として用いることで,10 wt%重量減少温度が421 ℃,残炭率が53.7 wt%とエポキシ樹脂硬化物として極めて高い値を示した。
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