日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
Opening Window FistulotomyおよびNeedle Puncture Fistulotomyによる胆管挿管(動画付き)
原 和生 奥野 のぞみ羽場 真
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2026 年 68 巻 1 号 p. 48-54

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抄録

本稿では,胆管挿管における2つの全く新しいPrecutテクニック,Opening Window Fistulotomy(OWF)とNeedle Puncture Fistulotomy(NPF)について解説した.この2つの手技は,いずれも口側隆起を切開し,乳頭開口部に触れることなく胆管挿管を行うため,ERCP後膵炎の発症を極限まで軽減できる可能性があると考えている.OWFは,口側隆起の粘膜を大きく観音開きにし,粘膜下組織を目視したあとに,さらに追加で深部に切開を加えて,胆管を露出させて胆管挿管を行う方法である.粘膜下組織を広い視野で展開することができるため,切開深度を把握しやすく,安全性の向上と高い挿管成功率が期待できる.一方,NPFは,ESD用の針状ナイフを用いて,口側隆起に瘻孔を形成し,その瘻孔を介して胆管に挿管する手技であり,小乳頭にも適用可能な汎用性の高い手技である.NPFの一番の目的は,挿管成功率の向上ではなく,ERCP後膵炎を防止することが主目的である.小さい乳頭は,挿管困難になることは少ないが,ERCP後膵炎のリスクが懸念される.そのような状況下でこそ,Primary NPFを行う利点があると考えている.本稿で紹介した2つの手技は,ERCP後膵炎が軽減できる臨床的有用性が高い手技であると考えているが,手技を安全かつ確実に施行しなければ,期待通りの結果にはならない.そのためには,基本技術の習得と訓練が重要であることは言うまでもない.

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