2023 年 44 巻 3 号 p. 129-138
自己配列性のメソゲンエポキシ樹脂を用いた低熱抵抗絶縁薄膜プライマーの高次構造についてX 線回折を用いて解析した。結晶性のモノマータイプ樹脂(ME)とそれを低融点化したオリゴマータイプ樹脂(MEP)の2 種類のプライマーを比較した結果,いずれもスライドガラス基板,アルミ基板,銅基板上で強い周期構造(モノドメイン構造)と配向方位の無い高次構造(ポリドメイン構造)が存在した。基板上の分子の配向傾きはME の方がMEP よりも2 倍大きく,縦配向性が強かった。銅箔上に約1.6 µm 厚さで作製したME プライマーの厚さ方向の熱伝導率は汎用エポキシ樹脂の約18 倍となる3.7 W・m-1・K-1,MEP プライマーは汎用エポキシ樹脂の約1.5 倍の0.3 W・m-1・K-1 を示した。いずれのプライマーも体積抵抗率は>1018 Ω・m で電気絶縁性能は十分であり,特にME プライマーは異材間熱伝達効率の向上に寄与できる絶縁薄膜として有効であると考えられた。