2023 年 44 巻 6 号 p. 294-301
これまであまり注目されていなかった充填材間の接触熱抵抗の影響に着目し,まず,2 重海島構造になると,充填材も連続相となり,熱伝導率が指数関数的に大きくなることを有限要素法で予測した。そして,SPS 成形法を用いて2 重海島構造を形成し,充填材間の接触熱抵抗をなくすことで,熱伝導率のパーコレーション現象を発現させることに成功した。また通常成形である射出成形や圧縮成形で充填材間の接触熱抵抗を大きく低減させる方法を検討した。導電系では,低融点合金で充填材を繋ぎ,電気絶縁系では表面に柔軟なセラミック層を析出させ,接触熱抵抗を低減し高熱伝導化を行った。しかし,充填材を長鎖の有機分子で繋いでも,負の熱膨張率を得ることはできたが,大きな高熱伝導化を行うことはできなかった。また,表面に軟質なZnO を被覆したAlN 粒子を用い圧縮成形で作製した複合エポキシ樹脂の熱伝導率はAlN 粒子を充填した場合の熱伝導率よりも有意に大きくなることがわかった。