2024 年 45 巻 4 号 p. 193-199
ポリメチルメタクリレート(PMMA)は,剛性が高く加工性も良いため様々な分野で使用されている。しかし,PMMA は脆性材料であるため,用途に応じゴム粒子添加などによる強靭化が必要となる。著者らはこれまでメタクリルモノマーとウレタンプレポリマーを同時に重合する手法を用い,メタクリル/ウレタンポリマーブレンドの強靭化研究を行った。本ポリマーブレンドには100 nm の相分離構造と数µm の球晶が共存し,マトリックスポリマーにマルチプルクレーズやせん断降伏が生じ強靭化することを見出した。本論文では,100 nm 相と数µm の球晶の形成過程を追跡し,高次構造形成メカニズムを調べた。100 nm 相はメタクリル成分とウレタン成分の重合過程で形成されることが示された。また,メタクリルポリマーのガラス状領域にあたる温度で等温保持する過程で小さな結晶核が形成され,ガラス転移温度付近まで昇温させると結晶核が成長し,数µm の球晶に至ることが明らかとなった。