2024 年 45 巻 4 号 p. 200-206
近年,CO2 削減や,SDGs の高まり,原油価格の高騰により,内燃機関の燃費改善,発電効率の向上などが求められている。特にエネルギー効率に影響する高耐熱性材料,軽量強度材料の開発が進められた。これまで,高強度,軽量な炭素化合物が提案されてきたが,炭素自体が容易に酸化されるため,同族のケイ素化合物が注目されてきた。ケイ素化合物は,高強度,軽量を満たし,炭素化合物では対応できなかった高耐熱性を実現することから,航空機エンジンの高耐熱性部材や火力発電でのタービン部材への活用が進められている。 本総説では,ケイ素の特徴を説明し,次に使用例を示しながら,高耐熱性を主体にケイ素化合物の機能性について解説する。