ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
総合論文
超分子科学のアプローチを用いた硫黄含有ポリマーの合成
小林 裕一郎西村 龍人山口 浩靖
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2024 年 45 巻 4 号 p. 207-214

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抄録

硫黄は石油精製の際に副産物として生成され,毎年700 万トンが地上投棄されている余剰資源である。硫黄含有ポリマーは,その余剰資源である硫黄から合成できるため,持続可能な開発目標(SDGs)の観点から注目されている。さらに,硫黄含有ポリマーはこれまでの石油由来のポリマーとは異なり,硫黄由来の高容量・高屈折率・可逆的な結合形成-解離などの特異な性質を示すため,電池材料やレンズ,自己修復材料などへの応用が期待されている。硫黄含有ポリマーは,硫黄とビニル化合物を高温に加熱するだけで簡単に得ることができる。しかし,得られる硫黄含有ポリマーは不安定,高分子量化が困難など,問題点も多く、高機能材料の創出が可能であるにもかかわらず社会実装が困難である。本総合論文では、硫黄含有ポリマーに弱い相互作用を介して分子が自己集合する超分子科学の概念を導入することにより,これらの問題を解決するために著者らが開発した超分子含硫黄ポリマーについて紹介する。

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© 2024 合成樹脂工業協会
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