ネットワークポリマー論文集
Online ISSN : 2434-2149
Print ISSN : 2433-3786
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バイオベース原料を用いた高熱伝導・絶縁性複合材料の開発
樫野 智將溝畑 賢吉田 将人
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2025 年 46 巻 4 号 p. 186-195

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抄録

エポキシ樹脂複合材料の高熱伝導化を図るため,剛直な共役構造を有するフェノール硬化剤として天然ポリ フェノールの一種であるtrans- レスベラトロール(tRES)に着目し,バイオベース原料系の高熱伝導・絶縁性複合材料の開発を行った。tRES がもつ高い融点は複合材料の調製時の混練性や成形流動性への課題となる。我々はtRES のもつスチルべン構造の光異性化反応に着目し,cis 型構造(cRES)を合成した。cRES の溶融挙動から約100℃の低融点化を実現し,cRES がエポキシ樹脂との相溶性にも優れることを確認した。トリフェニルホスフィン触媒存在下でcRES を硬化剤として汎用ビフェニル型エポキシ樹脂を175℃で硬化させることで従来の汎用フェノールノボラック型硬化剤(OCN)を用いた時よりも25%高い熱拡散率を示し,cRES を用いることによる高熱伝導化を確認した。この硬化系とアルミナフィラー90wt%を組み合わせることで,全樹脂成分に対して32%のバイオマス比率を有し,成形流動性に優れ,かつOCN 硬化系よりも12%高い熱伝導特性を発現したことから,本系が環境低負荷かつ高熱伝導性を有する次世代パワー半導体向け半導体パッケージ封止材としての適用可能性を見出した。

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