2026 年 47 巻 2 号 p. 68-77
チラミンとエピクロロヒドリンからチラミントリエポキシド樹脂(TTE)を合成した。TTE に臭化リチウム触媒の存在下で二酸化炭素を作用させることでチラミントリカーボナート樹脂(TTC)を合成した。TTC にジアミン硬化剤として4,7,10-トリオキサ-1,13-トリデカンジアミン(TODA),またはm-キシレンジアミン(mXDA)を化学量論量添加し100 ℃で24 時間加熱して樹脂硬化物を合成した。熱重量分析の結果,5% 重量減少温度はTTC/TODA 硬化物で215 ℃,TTC/mXDA 硬化物で208 ℃となり,両硬化物ともに熱分解し易い材料であった。示差走査熱量分析,フィルム引張試験の結果,TTC/TODA 硬化物は,ガラス転移温度-22 ℃,弾性率0.76 GPa,最大強度14.2 MPa で,室温でゴム状の柔軟な材料であった。一方,TTC/mXDA 硬化物は,ガラス転移温度62 ℃,弾性率6.8 GPa,最大強度152 MPa で,室温でガラス状の硬い材料であった。ステンレス基板に対するせん断接着力を測定した結果,TTC/TODA 硬化物は19.3 MPa で,TTC/mXDA 硬化物は2.4 MPa であった。リパーゼおよびプロテーゼ溶液を用いた酵素分解実験の結果,TTC/TODA 硬化物は吸水率の増加が見られ分子ネットワーク構造の崩壊が示唆されたが,TTC/mXDA 硬化物はほとんど変化が見られなかった。