2026 年 47 巻 2 号 p. 78-87
マテリアルズ・インフォマティクス(MI)は材料開発の現場に急速に浸透しているが,ネットワークポリマーは三次元網目構造を一意に記述しにくく,材料系の表現設計がMI 適用の成否を左右する。本稿では,ネットワークポリマーに対するMI タスクを「複数の構成要素から定義できる場合のタスク」と「代表構造が定義できる場合のタスク」に大別し,実務に即したアプローチ選択の指針を整理する。前者では,配合比,材料種別,プロセス条件などを中心にテーブルデータとして設計する重要性を,熱硬化性樹脂コンポジットの事例を用いて解説する。一方,後者では,(1)記述子ベース,(2)グラフニューラルネットワーク(GNN)などを用いる構造ベース,(3)Transformer などを用いる系列ベースの三つのアプローチについて,それぞれの特徴と適用場面を示す。さらに,本稿で示したMI アプローチを踏まえ,実務導入における留意点と今後の本領域の展望について述べる。