抄録
不飽和ポリエステル樹脂の硬化反応におけるスチレン配合比依存性について検討した。スチレン配合比の異なる不飽和ポリエステル樹脂硬化物を作製し,固体 NMR 分析,レーザーラマン分析および亜臨界水分解法による有機酸定量法により硬化物の架橋度を評価し,また密度やガラス転移点などの物性値も測定した。いずれの分析法においても架橋度はほぼ一致した。スチレンの配合比を増加させると架橋反応率は増加するが,約 70%で硬化反応が進まなくなることがわかった。また,スチレン配合比の増加により亜臨界水分解による分解物であるスチレン- フマル酸共重合体の分子量が増加しており,架橋部分のスチレン数が増加していることが示唆された。硬化物の密度およびガラス転移点がスチレン配合率増加に伴い低下したことも,架橋間長さの増加を反映していると考えられる。