ネットワークポリマー
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30 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
報文
  • 稲田 禎一
    2009 年30 巻1 号 p. 2-9
    発行日: 2009年
    公開日: 2013/01/10
    ジャーナル フリー
    エポキシ樹脂/架橋性アクリルポリマー及びシリカフィラーからなるポリマーアロイ系フィルムについて,弾性率,粘度等の組成依存性を調査した。また,ダイボンディングフィルム用途で要求される複数の目標値を達成するために,線形計画法を用いた材料設計の基礎検討を行った。シミュレーションは線形近似であり,おおよその予測を得るに止まるが,目標値を満足する最適な配合,フィラー粒径,添加量の範囲等を予測することに有効であった。また,この手法を用いて選定した材料は耐熱性,保存安定性等に優れていることを確認した。
  • 下影 卓二, 奥本 佐登志, 日高 優, 中川 尚治
    2009 年30 巻1 号 p. 10-15
    発行日: 2009年
    公開日: 2013/01/10
    ジャーナル フリー
    不飽和ポリエステル樹脂の硬化反応におけるスチレン配合比依存性について検討した。スチレン配合比の異なる不飽和ポリエステル樹脂硬化物を作製し,固体 NMR 分析,レーザーラマン分析および亜臨界水分解法による有機酸定量法により硬化物の架橋度を評価し,また密度やガラス転移点などの物性値も測定した。いずれの分析法においても架橋度はほぼ一致した。スチレンの配合比を増加させると架橋反応率は増加するが,約 70%で硬化反応が進まなくなることがわかった。また,スチレン配合比の増加により亜臨界水分解による分解物であるスチレン- フマル酸共重合体の分子量が増加しており,架橋部分のスチレン数が増加していることが示唆された。硬化物の密度およびガラス転移点がスチレン配合率増加に伴い低下したことも,架橋間長さの増加を反映していると考えられる。
  • 妹尾 政宣, 竹内 健, 岡 渉, 下邊 安雄, 桑本 滋生, 漆原 良昌, 松井 純爾, 中前 勝彦
    2009 年30 巻1 号 p. 16-22
    発行日: 2009年
    公開日: 2013/01/10
    ジャーナル フリー
    光通信・ 表示分野において透明プラスチックの高耐熱化,低線膨張化が求められており,我々はこれらの特性を実現するために,ナノ粒子高充填系コンポジット材料の開発を行っている。ナノ粒子の分散状態により透明なコンポジットが得られる場合も,また,白濁している場合もあるが,これら分散状態を定量的に解析する事は,特に高充填系では困難であった。今回,ナノ粒子高充填系における粒子分散状態の観察に,SPring-8 における高輝度放射光を利用した超小角X 線散乱測定が有効であることを見出した。さらに,ナノ粒子の干渉効果に起因する構造因子を解析することで高充填系ではナノ粒子が擬似的な結晶構造を形成するため凝集しないで均一に分散していることが示された。このことから,ナノ粒子の規則的な配列を伴う分散状態がコンポジット材料の透明性の増加と関係していることが示唆された。
総説
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