抄録
光通信・ 表示分野において透明プラスチックの高耐熱化,低線膨張化が求められており,我々はこれらの特性を実現するために,ナノ粒子高充填系コンポジット材料の開発を行っている。ナノ粒子の分散状態により透明なコンポジットが得られる場合も,また,白濁している場合もあるが,これら分散状態を定量的に解析する事は,特に高充填系では困難であった。今回,ナノ粒子高充填系における粒子分散状態の観察に,SPring-8 における高輝度放射光を利用した超小角X 線散乱測定が有効であることを見出した。さらに,ナノ粒子の干渉効果に起因する構造因子を解析することで高充填系ではナノ粒子が擬似的な結晶構造を形成するため凝集しないで均一に分散していることが示された。このことから,ナノ粒子の規則的な配列を伴う分散状態がコンポジット材料の透明性の増加と関係していることが示唆された。