ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
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総説
自己配列によって高次構造を制御した高熱伝導エポキシ樹脂
竹澤 由高
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 31 巻 3 号 p. 134-141

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抄録
メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は,硬化時にメソゲンの自己配列による高次構造が形成されるため,汎用のエポキシ樹脂に比べて高熱伝導化できる。このコンセプトを用いて開発した樹脂は最高で従来の5 倍の熱伝導率を示した。しかし,樹脂単独での熱伝導率は1W/m・K 未満であり,電子機器部材に適用するためにはセラミックフィラーとのコンポジット化が必須である。そこで,開発樹脂を用いて新規に高熱伝導コンポジットを作製した結果,熱伝導率が10W/m・K とアルミナをベースとした絶縁素材として高い値を有することが確認できた。ハイブリッド車に使用されるインバータ等の電装品,モーター,並びに家電品,LED 照明等に幅広く適用できると考える。
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© 2010 合成樹脂工業協会
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