ネットワークポリマー
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総説
フェノール酸の無溶媒重合による高性能バイオプラスチックの開発
金子 達雄王 思乾藤原 佳金子 大作
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 31 巻 5 号 p. 256-262

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抄録
植物細胞壁中に多く含まれ,かつ芳香族系アミノ酸の酵素反応により容易に生産できるフェノール酸を重合することにより,生分解性の液晶性芳香族バイオポリエステルを合成した。特にAB2 型の多官能性モノマーを用いることで高分岐型ポリエステルが合成され,それを加熱延伸することにより配向フィルムを得た。そのフィルムの性能は極めて高く,熱力学的性能は一般的な工業用プラスチックに匹敵した。また,当該成形体の熱処理により耐熱温度が最大300 度を超えることも分かった。本プラスチックの高耐熱性を利用し,自動車エンジン周りにおける軽量プラスチックなどへの応用が期待される。が広く研究されてきた。しかし,芳香環を高濃度に持つ剛直な分子骨格のものは少ない。その中で,リグニンやフェノールをキーワードとする研究が進められている。著者らは,ヒドロキシル基とカルボン酸を両方持つ「フェノール酸」に焦点をあて,それを重合する
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© 2010 合成樹脂工業協会
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