抄録
概 要CO2 の排出削減には排出量の約20%を占める運輸部門での削減が重要である。特に航空機,自動車では機体,車体の軽量化が燃費改善に効果的であり,炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を適用して,機体を20%,車体を30%軽量化でき,それぞれCO2 を7%,16%削減できると見積もられている。CFRP を金属代替の軽量高剛性材料として使用するためには,炭素繊維の比強度,比弾性率を有効に活用するためのマトリックス樹脂の設計が重要である。また,CFRP を航空機,自動車に幅広く適用するためには製造コストの削減や生産性向上が必要であり,マトリックス樹脂による成形方法の革新や生産性の大幅な向上が図られている。さらにCFRP はエネルギー部門でも風車,水素タンクなど重要な役割を果たしている。CO2 の排出削減には,運輸部門やエネルギー部門でのCFRP の適用拡大が重要であり,そのためにもマトリックス樹脂への役割期待が今後ますます大きくなっていくと考える。