ネットワークポリマー
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総説
シルセスキオキサン含有ブロック共重合体による 新しい自己組織化リソグラフィ材料の開発
早川 晃鏡
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2011 年 32 巻 5 号 p. 268-275

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抄録
自己組織化の科学と技術が結集されたボトムアップテクノロジーを工学的に利用することを目標に,ブロック共重合体リソグラフィに用いるケイ素含有有機・無機ハイブリッドポリマーの創製を行った。本論文では,ブロック共重合体リソグラフィを紹介しながら,かご形シルセスキオキサンポリマーを基盤とするブロック共重合体(PMMA-b-PMAPOSS)の分子設計,合成,および薄膜におけるナノ構造制御について述べる。PMMA-bPMAPOSS はリビングアニオン重合により合成した。薄膜はポリマー溶液をシリコン基板上にスピンキャストした後,溶媒アニーリングを行うことにより作製した。原子間力顕微鏡による薄膜構造観察を行ったところ,点状(ドット状)ナノドメインが膜全体に形成されていることが分かった。続いて,薄膜に酸素プラズマエッチングを施したところ,ドット状ナノドメインが選択的に除去され,孔構造の薄膜が生成した。一方,2 種類のDirected Self-Assembly によるナノドメインの長距離秩序構造制御を行ったところ,ドット状ナノドメイン構造が高度にヘキサゴナル配列した薄膜が得られた。
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© 2011 合成樹脂工業協会
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