抄録
1.はじめに ポリマー材料は,典型的な粘弾性体であり,弾性と粘性の両方の性質を合わせ持っている。力学特性を示す粘弾性挙動は,分子運動や分子構造の影響を受けるため,その物性把握はポリマー研究や材料開発に必要不可欠となっている。この粘弾性挙動を知る方法の一つに動的粘弾性測定(DMA:Dynamic Mechanical Analysis)がある。 DMA では,ポリマー材料の温度変化に伴う硬さを弾性率として知ることができるほか,その弾性率の変化からポリマー材料のガラス転移温度や側鎖緩和,置換基緩和といった緩和現象を高感度に捉えることが可能である1)。 本稿では,DMA の概要について述べるとともに,固体ポリマーへの適用事例を紹介する。