抄録
メチレンジアミン,ビスフェノールA,ホルムアルデヒドから得られる高分子量ベンゾオキサジンと典型的なビスマレイミド(BMI)の混合物を240℃まで段階的に熱処理することにより新規なポリマーアロイを合成した。IR とDSC による検討およびモデル反応から,ポリマーアロイはベンゾオキサジンが開環重合して生成するヒドロキシル基とビスマレイミドの二重結合の間でエーテル結合の生成を介したAB 共架橋構造を形成していることを確認した。得られる硬化フィルムの動的粘弾性測定からポリマーアロイのガラス転移温度はそれぞれの単独ポリマーよりも高い値を示すことが分かった。また,ポリマーアロイの熱重量減少分析から,5%および10%重量減少温度はBMI の添加に伴い向上した。850℃における残炭率はどのブレンド比においても単独ポリマーに比べて向上することが分かった。