抄録
金属を含有しない新規リン系硬化促進剤テトラフェニルホスホニウムテトラ-p- トリルボラート(TPP-TTB)を用いたシアナートエステル樹脂,シアナート-エポキシ樹脂硬化物を得た。TPP-TTB を用いて得たシアナートエステル樹脂硬化物は,従来の硬化促進剤を用いた系の硬化温度250℃が大幅に改善され,200℃の低温で硬化が可能となった。得られた硬化物のガラス転移温度(Tg)が307℃を示し,従来の金属共触媒系に比べ約30℃向上した。続いて,このTPP-TTB を用いてシアナートエステル樹脂-エポキシ樹脂混合系についても検討し,同様に200℃という低温での硬化を可能とした。さらにさまざまな骨格のエポキシ樹脂を系に適用することで樹脂骨格の諸特性への影響を検討し,樹脂骨格の変化によって特性の多様化が可能であることを見出した。さらに,シアナートエステル樹脂系においてTPP-TTB の触媒効果について単官能基化合物を用いて確認した。