抄録
myo- イノシトールは米糠や豆皮等に多量に含まれる化合物であるが,これまでほとんど材料開発に用いられてこなかった。しかしながらこの天然の環状多価アルコールは中心に堅固な環状骨格をもち,さらに反応点として多数の水酸基をもつことから高分子合成のためのビルディングブロックとしての利用が期待される。本研究ではmyo- イノシトールとジイソシアナートの重付加を行うことで新しいネットワークポリウレタンの開発を目指した。種々の検討の結果,溶媒としてN,N- ジメチルホルムアミドを,添加剤として塩化リチウムを用いることでmyo- イノシトールの溶液を調製することができ,これにジイソシアナートを加えることで透明なゲル状材料が得られることを見出した。さらに,この重付加反応をガラス基板上で行うことで,透明なネットワークポリウレタンフィルムが得られた。