ネットワークポリマー
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総説
現像時の高分子反応に基づくエンプラへの感光性付与
大山 俊幸
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2013 年 34 巻 5 号 p. 261-271

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抄録
感光性ポリイミドは,IC チップ/封止樹脂間のバッファコート層などに使用されているが,前駆体であるポリアミック酸の誘導体や化学修飾ポリイミドをポリマー成分として使用しているため,ポリマー合成の煩雑化や合成コストの増大,低い保存安定性,パターン形成後に高温後加熱によるアミック酸→イミドの変換が必要,などの欠点を有している。また,ポリイミド以外の多様なエンプラに感光性を与える汎用的な手法はこれまで知られていなかった。これに対して,エンプラ中のカルボン酸類縁基と現像液中の求核剤との高分子反応を利用して微細パターンを形成する「反応現像画像形成(RDP)」は,市販のポリイミドやポリカーボネート,ポリアリレートなどを含むカルボン酸類縁基含有エンプラに広く適用可能であり,かつ後加熱によるポリアミック酸からポリイミドへの変換が不要,一つのエンプラからポジ型とネガ型の両方のパターンを形成可能,などの利点を持っている。本稿では,現像時の高分子反応を利用した感光性付与法であるRDP の応用可能範囲やパターン形成原理などについて紹介する。
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© 2013 合成樹脂工業協会
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